第18章 かき氷大作戦2
何故か、信玄と美弥の前には主人ではない「郷八」と言う名の男が座っていた。
店の主人はこの男を「大主人」だと紹介した。
が、おそらく
(この男が、一味の頭だな)
氷が必要だと話をし、金袋を郷八の前に押し出すと、郷八は
一度、鋭く、値踏みするかの様に、
いや、嘘を見抜こうとするかのように、信玄を目威した。
「……」
「……」
(ひぃーーっ、怖い人だよーっ💦)
ふぅぅー……
「分かった」
睨み合いの末、郷八が了承した。
「助かるよ」
信玄が柔らかな笑を再び浮かべる。
「氷でも贈って、どうしても取り入りたいお人なんだ」
信玄が美弥を見て目配せする。
(信玄様の取り入りたい人って、私?)
美弥、知らなかった。