第17章 かき氷大作戦
「美弥、無事か?」
「信長様⁉︎」
美弥が驚きの声と共に青ざめる。
「瑠璃、お前も冷たそうに見えて、大概お人好しだな」
「政宗」
さすがの瑠璃は平静を保っている。
そんな女2人に、信長と政宗は愉しそうに笑いかける。
「久しいな、軍神。
それに、息災であったか?手負の虎よ」
ニヤリと笑って信長が近づいてくる。
そこへ、
「「謙信様っ!」」
城の家臣達が一斉に駆けつける。
「……」
謙信は家臣の前で、難しい顔をしてから、
諦めの一息を零して口を開いた。
「……皆、済まない。
俺が呼んだのだ。
2人が思いの外 早く到着したので、皆への伝達が遅れた」
謙信が嘘の説明をした。
「しかしっ!」
「大事ない。
ここで戦や斬り合いになる事はない。
お前達も刀を収めよ」
冷凌とした謙信の様子に、家臣達は渋々ながらも刀を降ろした。