第3章 政宗と姫の或る日 其の弐
(綺麗な容姿は私の価値か……まぁ、)
「それで良い、か」
そう口にしたら心が軽くなった。
「それで良いんだよ。
俺はお前が、何をもっても、誰が見ても美人だって事、鼻が高いぜ。
俺がお前を自慢しまくってやるさ」
そう言うと政宗は瑠璃の剥き出しになったままの肩に口付ける。
その唇は鎖骨、首筋をなぞった。
そして、唇を啄む。
「ん…ンッ…チュッ…」
柔らかな政宗の唇は、悔しく悲しい瑠璃の心の凝りを甘く溶かしてゆく。
チュッ…クチュ…ちゅチュッ…
(他人が決めた私の価値なんて……
それに、そう言った人はもういない)