第17章 かき氷大作戦
そんな日常茶飯事の会話が続く向い、
謙信の横から涼やかな瑠璃の声が問ってきた。
「女遊びの成果はいかがでしたか?」
瑠璃が澄まし顔で微笑している。
「瑠璃、女遊びとは聞こえが良くないねぇ。
情報収集の手段だよ。
それとも、嫉妬してくれたのかな」
甘やかな男の顔で信玄が瑠璃を見る。
「え?そうなの?」
何にも勘繰らない美弥が驚く。
「女の香の薫りがしますからね」
そう言う瑠璃は全く無関心そうだ。
「おーっと、鼻が効く。
次からは気をつけなければならないね」
わざとらしく怯えたように、
肩をすくめてみせながら、
鋭い目を瑠璃へと流した。
信玄にそうさせるのは、瑠璃の細かな洞察力にあった。
「女は鼻が効くものです。
以後、十分にお気をつけ下さいませ。
猫のように引っ掻かれますよ。
くすくす」
笑いながら瑠璃も強い流睇を返した。