第17章 かき氷大作戦
「ただいま帰りましたー…」
力無い美弥の声がして、襖が開いた。
「あ"ぁ"ー疲れたー。
しっかも、なーんにも収穫なしだぜー」
どっかりと幸村が腰を下ろす。
「そうか」
「謙信様、申し訳ありません」
「いや」
佐助の謝罪に謙信は短く応えただけだった。
「大丈夫です。
きっと何だかの手掛かりがありますから」
帰ってきてから青菜に塩 みたいな3人に、瑠璃が妙に自信をもって笑った。
「「「?」」」
日が西に傾きかけ始めた頃、
「やぁ、皆、集まってるかーい」
上機嫌な声で信玄が入ってきた。
「信玄様、どーこ行ってたんよっ。
あっっ、また甘いもん喰ってたんだろ⁉︎」
「いやぁ、そうは言っても幸、
可愛い子に誘われて断れるかい?」
「断れよっ!」
「だって、皆が…」
早速 幸村が小言を言い始め、それを信玄がのらりくらり と言い逃れる。