第17章 かき氷大作戦
佐助と幸村、そして美弥は城下へ降りて来ていた。
瑠璃は謙信と留守番だ。
「春日山城下も賑わってますね」
「お前は食いもんしかみてねーだろ」
「あーっ!失礼ねっ、そんなことないよ!」
幸村と美弥のお陰で、賑やかに町中を歩く。
町中の茶屋を渡り歩いたが、
「ここ最近、削り氷を売ったってお店はどこにもなかったね…はぁぁ」
情報は全く集まらなかった。
「そうかい、ありがとう」
「信様のお役に立てたならなによりですわ❤️」
「今度、削り氷、一緒に食べましょうよぉ」
綺麗な女達が信玄にしなをつくって魅せる。
「それは俺が奢るのかい?」
「やだぁ〜、当たり前じゃありませんかぁ」
「ねぇ」「ねーっ」
「ハハハハっ、言うねぇ。
それじゃ、ひとつの削り氷を匙で掬って、
俺が食べさせてあげよう」
「えぇ〜ずるーいっ」
「一緒に食べるんだから、同じだろ」
あははは…
信玄の周りで、黄色い笑い声が湧く。
信玄は独り、町の花屋が並ぶ界隈で女達から話を集めていた。
男と女と甘い物の事は花街の女が良く知っている。
信玄の自論だった。