第17章 かき氷大作戦
翌日、
朝から美弥は信玄と顔を突き合わせ、腕組みをしていた。
「で、何か良い策を思いついたかい?」
試すような、測るような口ぶりの信玄。
「信玄様、この辺りには氷室は幾つありますか?」
「オイ、まさか、毎日賊が来るのを張り込むとかじゃねーだろうな」
大真面目な美弥に幸村ぐ馬鹿にしたように突っ込む。
「え?ダメ?」
はぁぁぁー…幸村が天井を仰いで、
大きなため息をわざとらしく吐く。
「うーん、それは、ちょっと効率が悪いね」
「信玄様もっ、そんな生温い言い方せずに、ハッキリ駄目だって言えよ!」
(騒がしいけど、幸村少年、意外と常識人だ)
ギャァギャァ吠えている幸村を見て、
瑠璃は幸村を見直していた。