第17章 かき氷大作戦
瑠璃はフフッ…と笑った。
それを合図にしたように、謙信が口を開いた。
「俺が、何の為に生きているのか……
貴様が、教えてくれぬか」
謙信の瞳が射抜くように、
真っ直ぐ瑠璃に向けられた。
吸い込まれそうに澄んで、
危ういほどに美しい。
((その瞳は何を映しているのか))
「貴様は俺の眼を、淵のようだと表したな。
深い滝壷の淵のようだと…」
「…全てを落としてしまった碧…」
「滝壷の淵は全てを飲み込む」
謙信は何を言おうとしているのか。
「……」
「貴様の眼は、全てを知って、
浄化させてくれそうな……
……そうだ、月のようだな」
(浄化を……私には……)
謙信の言おうとしている事を察した瑠璃だが、あえて微動たりもせず、謙信を見る。