第17章 かき氷大作戦
瑠璃は謙信の言葉に、内心驚いていた。
(そんな風に考えるなんて…この人の心は)
ダイレクト(直接的)に死に直結しているのだと知った。
「…そう、かも知れません。
あるいは、そうではなく、生きようとして…。
でも、どのみち、謙信様の
『いつ死んでも良い』とは違うと思いませんか?」
静かに2人。
瑠璃は素知らぬ顔でまた月を見上げた。
謙信は盃を手に、瑠璃の横顔を睨む。
草陰から虫の声が聞こえ、
サワッと風が空気を流し、
沈黙を破った。
「生きる理由もわからず、
虚しく生きている人の『いつ死んでも良い』と、
生きようと力一杯生きている人の、
ソレとは同じではないと私は思います」
瑠璃の声。
柔らかくも良く通る強い声音。
(愁も悲哀も含まないからか?
とても…耳に心地好い)