第17章 かき氷大作戦
眼を細めて笑っている様な月が、
2人を淡く照らしている。
(本当に、綺麗な…月の氷みたい…)
瑠璃は眼を細めて、横に座る謙信の月のような横顔を見る。
「…何だ」
「いえ…やはり…とても、綺麗だな と思って」
「俺がか?」
「はい」
「馬鹿な事を。
俺が綺麗なわけがあるまい……。
容姿はただの傀儡。
この手は血塗れ。
心も虚しいだけだ」
自らをそう評した謙信。
(空っぽだと言うの?)
何もないから踏み込むな、と制されたようにも感じた。
「謙信様は何も…心も、ないのですか?
それとも、凍ったまま…なのですか?」
瑠璃は月を見上げ、独り言のように言った。