第17章 かき氷大作戦
「貴様も久しいな、瑠璃」
暫くして、ようやくそう声をかけられ、
瑠璃も軽く頭を下げる。
「…お前がここに居ると言う事は、アイツも戻って来たと言う事か。
俺もまた、張り合いが出る」
謙信は碧玉の瞳を鋭く細め、冷たく笑う。
(アイツも戻って…?何の事?)
考えながら、鋭い瞳を受ける。
自分が居ない間、荒れ狂った政宗とそれに呆れた謙信が戦場で対峙もせず、背を向けた事を、当たり前ではあるが、瑠璃は知らない。
「…ところで佐助、戦もしておらぬのに何故ゆえこの様な戦利品を持って戻ったのだ」
「それが……」
要点を掻い摘んで佐助が話をする。
が、
美弥が横から口を挟むから、
なかなか話が進まない。
「なので、謙信様っ、氷を頂けませんか?」
美弥が仔犬の様子で必死に頼む。