第17章 かき氷大作戦
「美弥さん、怒られますよ?」
「大丈夫。子供じゃないし、書き置きしてきたしっ」
胸を張って「大丈夫」と言う美弥に
瑠璃は不安一杯になった。
「美弥さん、黙って来たの?
あ"ー…俺が誘拐した事にならなきゃいいけど……」
前の馬からボソボソと佐助が愚痴るのが聞こえて、瑠璃は1人、苦笑した。
「良くきたな、美弥」
「お久しぶりです、謙信様っ」
着いたのは春日山城。
謙信が迎えに出てくれていた。
謙信は瑠璃には声をかけなかったが、
美弥を見る一瞬、瑠璃の瞳を見た。
瑠璃もその薄い青と碧の瞳を見た。
氷、寒い地域、越後、謙信、美弥の連想が単純で瑠璃はどうとも言えなかった。