第17章 かき氷大作戦
「お前の頼みなら叶えてやりたいのはやまやまだが…」
「え"ぇ…また、やまやま、ですかぁ」
美弥が情けない声を出す。
((また?))
政宗にも「やまやまだが…無理だ」と断られた事を、謙信と佐助は知らない。
「美弥さん、そう気を落とさないで」
「氷がないわけではないのだが…」
「‼︎」
しょんぼりしている美弥が、気の毒なのか、佐助と謙信が慰めようと声をかけるから、
美弥の表情がまた期待に輝く。
けれど、2人のそれは瑠璃的には残酷な優しさで、時間の無駄にしか思えなかった。
「謙信様、無理なら無理とはっ「おっ、俺の天女が来てるってのは本当だったのか」
「だから言ったろ。何で俺が嘘吐かなきゃ何ないんですか!ったく……」
瑠璃の台詞は突然顔を出した大きな漢(おとこ)と、
(真田…幸村、少年…)
に遮られた。