第17章 かき氷大作戦
「ねぇ〜、政宗ぇー」
「そんな強請られ方されてもなぁー…」
チラッと美弥をみる政宗は
何か面白い生き物でも観察するようで、
瑠璃には、政宗が面白がってるとしか思えなかった。
ちょっと、美弥を気の毒に思った瑠璃だった。
「かき氷〜」
「食べさせてやりたい、のはやまやまだが…無理だな」
とは言っても申し訳なさそうではなく、笑っている。
「え"ぇ"ーっ、どーしてぇー」
「今年は梅雨に雨が多く、氷室(ひむろ)の状態が良くないらしく、氷は例年より更に貴重だからだ」
ガッカリな美弥に政宗が説明をする。
話によれば、近くの氷室も梅雨の時期に水に浸かったらしく、氷が駄目になったと言う。
「美弥さん…今年は諦めたらどうでしょうか」
「…信長様に聞いてみる」
瑠璃は政宗を見てから、消沈の美弥の後を追った。