第17章 かき氷大作戦
「美弥…また かき氷か…毎年毎年…」
秀吉が呆れ顔で困る。
「夏が来たと言う気がしますね」
三成は美弥が『かき氷を食べたい』と言うのを、
夏の風物詩だと比喩した。
「暑いのに、暑っ苦しいね……
暑気に当たりでもすれば静かになるのに…」
鬱陶しそうに、家康が溜め息を吐く。
「家康酷い!暑気あたりにならない為にかき氷を食べようって言ってるのにっ」
美弥は腰に手を当ててプンプンしている。
「俺達 平気だし。ね、瑠璃」
家康に碧の瞳を向けられた瑠璃は返事に詰まった。
「えっ…と…まぁ…そのーー…」
「瑠璃さんっ、かき氷、食べたいでしょ⁉︎現代的なヤツ!」
歯切れを悪くしている瑠璃にはまったくお構いなしに、美弥は横から突っ込んでくる。
「え?まぁ…」
どうしようもなくて、瑠璃は曖昧に、小声で濁した。
が、
「いいもんっ、私達だけで何とかするし!」
(私達??)
瑠璃が戸惑っていると
ガッと手を掴まれた。
「行こっ!瑠璃さんっ」
「「「「‼︎」」」」
鉄砲玉みたいな美弥。
「おいっ、美弥っ!」
秀吉の慌てた声が追ってくる。
「瑠璃っ」
家康の心配そうな呼び声も聞こえた。