第17章 かき氷大作戦
「あっついね〜」
「そうですね」
扇子をパタパタとやる美弥に涼やかな声で瑠璃が答える。
「瑠璃さん、暑くなさそうだよ」
「暑いですよ」
「ウソ〜、汗かいてないもーん」
慣れたとは言え、エアコン、薄い洋服で生活していた美弥にとっては、
まだ夏の着物はかなり暑いらしい。
一方の瑠璃は、現代にいた時から家では着物生活をしていた事もあって、
美弥よりは慣れているのか、
平気な顔をしている。
「瑠璃さんって、体温低い?」
そう言うと美弥が瑠璃の手を取る。
「わ…冷んやりー…あっ!」
瑠璃の冷たい手を頬に当てた美弥が何を思いついたのか、声を上げた。
「氷、かき氷 食べに行こう!」
スクっと、意気揚々と立ち上がった。
もう、暑さは吹っ飛んだ。