第16章 秘密事
自分から汚れ役を買って出る。
人には役割りがあって…そういう人も必要な事は理解る。
けれど、どうして、進んでそうしているのか…
自ら買って出るのはどんな気持ちか……。
(解るから、口惜しいっ)
罪人を何人も試打に使った。
見た目は完璧でも、不完全な回転式銃は何度も暴発した。
引き金を引いた瞬間。
連射台が回転した瞬間。
絶叫が木霊する。
痛みに絶叫が響いた刹那、
一転して静寂が訪れる。
そして、瑠璃は項垂れる。
それをもう、何十回も繰り返した。
草原にはいつも2人しか居ない。
誰も、知らない。
秘め事が、繰り返された。
そうして、完成した回転式銃で、飛距離を確認し、的は物から人に変わった。
どの距離でどこに当たれば、どのくらいで死に至るのか。
…死に損なった的は、光秀が最後を担う。
何故なら、
回転式銃の製造を知っているのは光秀と瑠璃、信長と、それに携わる極々一部の者だけだからだ。