• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来た戦国姫

第16章 秘密事





「…光秀様…」
「そんな顔をするな。
新しい物を生み出す時、犠牲は付きものだ」
光秀は何でも無い事のように優しく諭し、
瑠璃の頭を撫でた。

(でも…)

瑠璃も頭では解っている。
割り切っているつもりだった。

「それに、ヤツらは罪人だ。
もう とうになかった命が今まであっただけマシだろう」
ニヤリと笑う。

(嘘だ)

瑠璃は知っていた。
感じていた。




罪人を犠牲にして試打すること、
そしてその罪人が命を落とす事、
それは、心の痛むことだが、自業自得だと、
割り切っていた。
哀れみなど大して感じない。

心が痛み、辛いのは
理解し、割り切っているつもりで出来ていないのは、
「光秀様……」
そう、光秀の心情を測ること。


瑠璃は光秀の手を取り両手で包み込んだ。
「…この手は……」

(こんなことをする為の手じゃ…ない…のに……っ)

悔しくてやるせなくなって涙が溢れた。





/ 841ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp