第15章 些細な出来事と重想
「本当、あっさりしてるな、瑠璃は。
女にしておくのは勿体無い、というか…もう少し気を抜いても良さそうなのにな」
見送った秀吉が苦笑しながら、政宗に同意を求めた。
「今日のアイツ、変わりないか?」
「?ん?別にいつも通りだろ」
(秀吉がそう感じるなら、俺の考え過ぎなのだろう)
朝の会議が終わると
「瑠璃、相手をして行け」
信長が瑠璃を呼び止めた。
こうやって信長は時々瑠璃と囲碁をする。
その間、2人は何の話をするのか。
(気にはなる…)
けれど、自分も残る、とは政宗は言えない。
それでも何とか言いたくて
「瑠璃、今日は勝てるといいな」
そう労ってやったのだが、
「そうそう天地がひっくり返ることがあるでしょうか?」
フッと冷笑された。
「……」
信長がニヤッっと政宗を見て笑った。
(クッソ、瑠璃め)