第15章 些細な出来事と重想
(悪戯が過ぎたか?怒らせたか?
それとも、気のせいだったか?)
自室で独り朝飯を喰いながら考えた。
けれど、全ていつも通りに見えた。
羽織袴姿の瑠璃が登城する政宗に静かに付いて来る。
行く道すがら、話をしても、いつものように受け答えする。
そして、城の女達の黄色い挨拶にもいつも通り爽やかで華麗に応えて、キャアキャア言わせる。
纏う雰囲気も態度も変わりない。
柔和にして爽やか。
それでいて笑顔は麗妖。
なのに、何か、違和感が付き纏う。
「毎朝、女達も飽きないなぁ。瑠璃、疲れないか?」
「秀吉様、おはよう御座います。
嬉しく思いますよ。ぅふふふ」
麗凛と秀吉と会話をする。
「悪いが、三成がどうしてるか見てから、
一緒に広間に来てくれないか?」
「かしこまりました」
美弥のように必要ない言葉は付け加えない。
簡潔に返事だけをして三成の部屋の方向へ歩いて行った。