第15章 些細な出来事と重想
要らぬ想像。
在らぬ想像。
タダの錯誤な想像。
は勝手に膨らんで…
(駄目だ、駄目だ、…)
「駄目だ‼︎」
慌てて襖を開け開けた。
「政宗?」「政宗さん?」
「お前ら何やってんだよ!って…
…何、やってんだ?」
目をパチクリして瞬いた。
「なにって……」「薬の調合ですよ」
調合台に道具と材料、紙と筆を用意して、
瑠璃と家康が並んでいる。
『この辺りをもっと優しく握って』は乳棒の握り方と擦る力加減の事。
『コレ、入れるよ』は蜈蚣(ごしょう)を追加すると言っていたのだ。
蜈蚣は百足で頭の赤いデカい奴だ。
トビズムカデ(鳶頭百足)というのが通名。
それで、それを見た瑠璃が
『ヤダ…』と嫌がっていたみたいだ。