第15章 些細な出来事と重想
政宗は襖を開けられずにいた。
「これで、いいんですか?」
「そう、優しく、シてよ…」
「…はい…」
どうにも不安そうな瑠璃の声。
「そんなに、力入れちゃ駄目。
この辺りを優しく握って」
「済みません…これくらい?です、か…?」
「…うん…良いよ…そう、もっと……
…片手も添えて」
「はい…」
(何だ、この会話…)
政宗は家康に用事があって来たが、
瑠璃も一緒に居る様だ。
中から聞こえて来る会話は、まるで…
(家康の処へ行くってもの聞いてないし、
コソコソ、そんな事ヤッてんのか?💢)
「もういいよ瑠璃、入れるよ」
「…え…そんなのを?…ヤダ…大きい…」
「コレ入れないと、意味ないんだから。
少しずつ入れるよ」
「……はい…」
観念したような瑠璃の声が同意する。