第14章 姫達と献上品
「銀で出来てる」
「銀細工の他にも、象牙や鼈甲でも作られている様です。
が、これが献上品として贈られてきたということは、金銀に宝石を細工したものが高級だと言うことのようですね」
箱の中には 金銀に細かな模様が打ち出してあり、宝石を埋め込むなど、
高度な技術で丁寧に作られた付け爪が10本、並んでいた。
「コレが付け爪?」
「付け爪ですね」
「私の知ってるのとは違う」
「この時代に爪にだけ爪を貼る技術はないですよ。
ですから、指先からスッポリ覆う形なので、指甲套とか護指と言うのでしょうね」
瑠璃の説明に美弥はあっさり納得する。
「そっか。
でも、こんなに長いと不自由じゃないかな?」
美弥が一本取り出してはめている。
「まぁ、不自由であろうな」
信長も小指にはめてみている。