第14章 姫達と献上品
『纏足』
それは中国の昔からの風習。
「その国々、時代ごと、人ごとに、
美しいとされる容姿は違いますが、
小さなモノは可愛い、というのは誰もが思うようでしてーー……」
「…え"っ…じゃぁ…無理矢理 足を小さくしたって事?」
青ざめた顔の美弥が、恐る恐る確認する。
「まぁ、そう言う事ですね。
良い家に嫁げるなら、痛みと歩行を引き換えにしても…と言う感じですかね」
瑠璃もため息をつく。
「でも、どうやって…」
「足に布をきつく巻いて、縛って…
駄目なら、足の指を折って…
それでも、駄目なら、そんな足の指はーー
「切り落としてお仕舞いっ!」と…」
ふふふふ…と笑った瑠璃が
美弥には今度は鬼女に見えた。
(お、鬼だ…こっ、怖い…怖すぎるよ……)