第14章 姫達と献上品
「こっちは明からの品物だ」
そう言って信長が襖を開かせる。
目に入ったのは圧倒的な陶磁器の数々。
同じ陶磁器でも、西洋とは違う
滑らかな肌の美しい青磁白磁の陶器。
茶碗、大皿、大壺、の美しいことこのうえなかった。
「こっちが装飾品ですね!」
右手側に美弥が進んで行く。
「わぁ〜っ、見て見て!
子供用かな?小さくて可愛い💕」
美弥がそう言って掲げて見せるのは
靴だった。
「綺麗な刺繍がされた、靴〜」
黄色の小さな靴。
赤い靴もある。
「そうかも知れぬな」
キャッキャと声を上げる美弥。
信長はさして関心を示さなかった。
が、
「違いますよ」
瑠璃の否定の言葉に、美弥も信長も関心を示す。
「成人した大人用です」
「え?こんな小さいのに?」
サイズは10センチくらいだろうか。
「美弥さん、『纏足』って聞いたことありませんか?」
「テンソク?」