第13章 政宗愛抱ス(R18)
思いを込めて。
祈る思いの分、ゆっくりと。
ありったけの思いを込めた。
「政宗の薬指には小さかったですね」
小指にはまった指輪を瑠璃が指先で回して弄ぶ。
「ねぇ…政宗の指輪…私にはめてくれへん?」
上目遣いで瑠璃が政宗を見る。
「あ、ああ、そうだな」
政宗は空の様な、澄んだ海の様な、
蒼い指輪の輪っかを覗き見てから、
ソレに唇を付ける。
(ギザなんだから)
内心で苦笑しながらも、そう言うのも様になってて、魅了されるから厄介だと、瑠璃は思う。
「俺のはお前の薬指には大きそうだけど…」
そう言いながらも、政宗は瑠璃の右手を取ると、薬指にはめる。
「右手…」
「ん?コレでいいんだよ。ほら」
手を絡める。
「隣り同士、触れ合ってられるだろ」
政宗はニッカリと得色と笑う。
(そう言うの、素でやるやなんて)
「もぉ…ズルい。政宗には、敵わへんなぁ」
瑠璃が困った笑顔を見せる。
政宗の好きな、ちょっと困った様で嬉しそう笑顔だ。
政宗も悠々と笑う。
「降参か?」
「う〜ん…降参」
「じゃ、俺の勝ちってことでー…」
「アッ」
膝の上、腕の中に突然引っ張り込まれた瑠璃が小さな声をあげた。
「…お前を好きにさせてもらうぜ」
政宗に甘くも獰猛に笑いかけられた。