第3章 政宗と姫の或る日 其の弐
「その後、お母様に、お風呂で遊び過ぎ!
って怒られたんですけどね。
楽しかったなぁ」
と笑う瑠璃が、ハッと何かを思い出して、政宗を振り向いた。
「そう言えば、政宗。
私の背中の傷痕、薄くなってきてますかね?」
背中の傷痕。
小泉に攫われ、酷く暴行された痕。
「お前~…それを俺に問うのか」
「?」
シメタと思うと同時に、瑠璃の学習の無さに政宗は苦笑する。
(アイツは全般的に学ぶ能力が低いが、
瑠璃は男と閨の事は学ばないな)
自分の言葉の意味が解らず、目をパチパチさせている瑠璃が、政宗には可愛らしくも少々歯痒い。