第11章 西国の2人
「鉄壁瑠璃に何かが、ある訳ないでしよ」
政宗の壮大な妄想に家康が呆れる。
「政宗様、大丈夫ですよ。
瑠璃様は政宗様一筋ですし」
三成のなだめの言葉に、政宗はコロッと機嫌を直す。
「だよな〜。
瑠璃は俺だけだ。
フフフーン♫」
「そうですね。
間違っても瑠璃が光秀様に絆されるなんて事は、あり得ないと思いまー‼︎⁉︎」
(…馬鹿っ)
「みーつーなーりーぃ💢、馬鹿言ってんじゃねぇっ!そんな事あってたまるか!
ない、ない、ない‼︎絶対ないからなーっ」
政宗は三成の胸倉を掴んで、揺さぶりながら吠えていた。
その日は徳山宿へ止まり、福川、宮市、小倉宿を進み、船を降りて3日目は船木宿に泊まった。
「疲れたか?」
「少し」
「お前も飲むか?」
「そうですね、少しだけ」
毎日、政宗がヤキモキしているのを他所に、
瑠璃と光秀は2人仲良く旅をしていた。