第10章 猜疑の船旅
「////……その…」
「?」
「酒、弱い家系でな…皆、酒の因で死んでんだ。それで、だ」
「そうでしたか。お酒が強いか弱いかはさて置き、誰でもお酒は沢山飲めば健康を害する物ですから…。
飲まないのは賢い選択だと思います」
真っ直ぐに真剣な表情で言ってから、
柔らかく微笑した瑠璃を、元就はちょっと呆れたように見る。
(何でも受け入れるわけじゃないのに…
何でも受け入れるみたいな女だな)
元就も笑った。
(真っ直ぐで、正しい)
「変な女だぜ」
(でも、惹きつけられる)
元就は瑠璃の手を掴むと
「来い、美味い物食おうぜっ」
足早に歩き出した。