第10章 猜疑の船旅
「アッッ⁉︎やっっ…!」
着物の前見頃が勢いよく開かれ、驚きに声をあげる。
白く形の良い瑠璃の胸が、
弾けるようにこぼれて晒される。
思わず触ってみたくなる白磁の壺か何かの様に白く滑らか。
(………)
見惚れるほど、美しい と思った。
外気に晒され、フルリと軀が震えて乳房も揺れる。
雄の本能と視覚的官能に誘われるように、
ソッと手をあげ、触れようとしてくる元就の手がーー……
「‼︎」
止まった。
(いくらヤツが荒くれでも気付く)
ほくそ笑んだ光秀だったが、
(しかし、さすがにこの出歯亀は目に毒だ)