• テキストサイズ

私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第10章 コンバット



みんなの無事と、強力な仲間が集まったことへの安堵で再び溢れ出しそうな涙を拭えば、しっかり敵を見据えて拳を握った。

なんとかこの状況を切り抜けるんだ、みんながいれば、きっと大丈夫。

しかし手のオブジェを全身に纏った主犯格らしい人物は、そのまま棒立ちで状況を眺めブツブツと独り言を漏らす。

すると突然凍らされいていた脳無の名を呼べば、当然のごとく巨体の男は体を動かし始める。

まるで何事もないかのように凍らせているはずの体で起き上がれば、その不気味な無表情の男は微動だにしていない。

「体が割れてるのに…動いてる!?」

「!!みんな下がれ!!」

オールマイトが叫べば、突如として欠けていた手足がみるみると再生していく脳無。思わず誰もが固唾を飲めば、手の男は淡々と説明してくれる。

「脳無はお前の100%にも耐えられるよう、改造された超高性能サンドバッグ人間さ…」

改造、人間…?

その言葉に一気に背筋が凍りつけば、皆の顔色が変わる。一気に加速した不安に、時間を与えてくれないまま手の男の一言で脳無が瞬時に爆豪へとめがけ走り出す。

『爆豪!!!!』

希里の恐怖に怯えた声が響けば、振り向く時間もないままあたりは一気に風圧に包まれ、僕たちは後ろへと押されてしまう。

(いったい何が起ってるんだ!?)

間も無くしてなんとか風が静まれば目を開け、爆豪を含めたみんながその場にいたのを確認した。

圧倒されたまま、静かに語りだした手の男の自己中心的な持論を聞けば、再びみんなの拳に力が入る。

しかし身を呈そうと身構える生徒たちをオールマイトが咎めれば、彼はそのまま脳無を撃退するべく猛スピードで突っ込んで行ってしまった。

そこから桁違いの迫力とスピードで、脳無とオールマイトの戦闘が繰り広げられる。僕たちは風圧で普通に立ち続けることする困難なまま見守ることしかできず、すぐさま脳無は師の手によってなんとなんとUSJ内の施設から殴り飛ばされた。

「デタラメな力だ…」

爆豪ですら呆然と立ち尽くしながら、声を漏らす。

とうとう最終兵器を打ちのめされてしまったヴィラン連合はもう残すは手の男とワープゲートのみ。癇癪を起こし始めるヴィランに再びオールマイトが威圧すれば、思わずたじろぐ男。

「オール、マイト…」
/ 155ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp