第9章 ビギニング
「てめえに心配されるほど弱くはねえだよカスが!せいぜい自分の身でも守りやがれ!」
爆発を繰り出す爆豪に怒鳴られ、私の背後に寄ってきていたヴィランに気づく。すぐさまヴァランの背後に飛べば先ほど入れられなかった、重いドロップキックで頭から床へと切り落とす。
そのまま簡易れずに攻撃を仕掛けてくるヴィラン達の背後や死角に飛びながら攻撃を入れ、隙を見て爆豪が爆破で破壊したコンクリートの破片などに触れ敵の頭上へと落とす。
それでも意識を飛ばないものはすぐさまヒーロースーツに装備していた寸鉄を奴らの衣服と床に移動させ、動きを封じれば重い蹴りを入れる。
そのまましばらく交戦を続けていれば、なんとか終わりが見えてくる。
最後の二人を爆豪が爆破で壁へと吹き飛ばし、なんとかこのエリアの敵を制圧し終えたようで、荒い呼吸で安堵した。
『ハァ…ハァ…おわった…?』
「これで全部か、弱えな」
「…よし、早くみんなを助けに行こうぜ!俺ががここにいることからして、皆USJ内にいるだろうし…攻撃手段少ねえ奴が心配だ!」
「行きてえなら一人で行け、俺はあのワープゲートぶっ殺す」
「はあ!?この後に及んでそんなガキみてえな…それにあいつの攻撃はー」
『でも確かにあのワープゲートがいる限り私たちが不利すぎる…あいつ、一番厄介な個性だ』
「希里まで…」
「モブ女に賛成したかねえがその通りだ。あいつは敵の出入り口だぞ、いざって時に逃げ出せねえようドア閉めとくんだよ!モヤの対策もねえわけじゃねえ」
『そうなの?対策って、…爆豪!うしろ!』
「分かってるわボケ」
突然爆豪の後ろに現れた倒しそこねていたヴィランに気づき声を上げる。
しかし爆豪は当然の如く振り返りもせず手でヴィランの頭をわし掴み、簡易れず大きな爆発音を部屋に響かせた。
「つーか俺らに当てられるのがこんな三下なら大概大丈夫だろ」
涼しい顔で爆豪が言えば、彼の素早い反射神経と意外な冷静さに驚き、思わず口を開けたまま呆然とする。