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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第6章 アイスブルー


それから簡単にお互いの名前と個性を紹介しようと大柄な生徒、障子が提案すれば特に断ることもないので頷く。

そのまま言い出しっぺの障子を始めとし、次に希里が口を開いた。

『私は希里トバリ、個性はテレポート。自分自身と触れてるものを瞬間移動できるけどコントロールがまだまだ難しいから万能とは言えないかな』

瞬間移動。

確か個性把握テストの時にそんな言葉を騒いでたやつがいたが、なるほどな。あまり間近では見ていなかったが、あの騒ぎに納得がいった。

「なるほどな、そして…」

希里が言い終え、障子が返事をするば同時に二人の視線がこちらに集まる。

俺はそのまま重い口を開いた。

「轟焦凍。個性は半冷半燃、その名の通り氷と炎だ。だが戦闘において左側は使わない。以上だ」

そのまま簡潔に済ます。

それ以上特に言うこともないので、俺は口を閉ざす。その後数秒の間をおいて、返事をしたのは障子だった。

「…そうか、了解した。では二人ともよろしく」

「…ああ」

『よろしく……ねえ気になるんだけど、どうして?』

先ほどから俺の顔を凝視していた希里は、純粋なまなこで俺に投げかけた。

「…なにがだ」

『なんで左は使わないのかな、と。使えないんじゃなく、使わないんだよね。どうしてわざわざ自分の力を半減させるの?』

「…」

「…」

『…』

しばしの沈黙。

彼女の疑問に答えようとするが、思うように口が動かない。希里は返事を待ちながら真っ直ぐ俺を見ていて、障子も特になにか言うような素振りは見せない。

お前には関係ない、そう言おうと再び口を開くが、しっかりこちらの目を見据えている希里の瞳になぜか、声が出なかった。

「……」

『……ごめん。やっぱりいいや』

「…は」

突然沈黙を遮るように言う希里に驚き、思わず声が漏れる。
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