第6章 アイスブルー
そのままオールマイトの説明を受け、ヴィランチーム対ヒーローチームの戦闘訓練ルールを頭に入れた。
「ちなみにこのクラスは全部で21人だから、1チームだけ三人になるけど…まあいっか!」
まるで今思い出したかのように言いながら、オールマイトはくじ引きを取り出す。さっきからカンペを読み出したり、どこか適当だったりとやはり教師業は始めて日も浅いためかどことなく不安だ。
しかしナンバーワンなだけあって貫禄とオーラはさすがとしか言えない。そんなことをぼんやり考えながらくじを引けば、そこにはチームBとかかれていた。
「皆ひき終わったかな!?それじゃあチームごとに集まって!」
オールマイトが指示を出せば皆一斉に自分のチームを叫びパートナー探しが始まる。私も同じくチームBのパートナーを探すため、キョロキョロと見渡し人混みの中へと歩く。
「チームBのやつ、いないか」
探し始めてすぐ、真ん中の方で背がとても大きいマスクをした生徒が手から複製された口で声をかけていた。気付けば否や、すぐさま駆け寄り声をかける。
『私Bです』「Bだ」
背の高い彼に声をかければ、横からの声と重なる。
声の主をみればそこには左半分氷に覆われたスーツをきた、轟くんが立っていた。
そして同時に彼も私へと振り向き、目を少し見開く。
『あ』「お」
「…どうやら三人チームは俺たちみたいだな。」
◇◇
戦闘訓練と聞きやっと本格的なヒーロー訓練ができると期待を抱いたのもつかの間、なんともゲームのようなルールを聞き即座にやる気が失せる。
しかしこれも授業、やるからには勝利を取らなければいけない。
さっさと終わらせるため、同じチームBのやつらを探し騒がしいクラスの奴らの輪へと足を踏み込んだ。
「チームBのやつ、いないか」
周りを見渡せばすぐさま自分と同じチームであろう大柄な生徒が声をかけており、そのまま彼へと向かう。
「Bだ」『私Bです』
大柄な生徒に声をかければ、同時に少し遠慮気味の声と重なる。予想していなかったことに少々驚きながらも横を確認すれば、
「お」『あ』
そこには同じく意外そうな顔をしていた希里だった。
「…どうやら三人チームは俺たちみたいだな。」