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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第4章 クァークス




どことなく彼の雰囲気が以前と比べて暗いのは気づいていたが、こちらに向ける瞳がまた一段とひどく冷たく感じる。

あまり話したくないのだろうか…とふと思うと、彼が口を開く。

「……悪いが、希里。俺は友達ごっこするために雄英にきたんじゃねえ。あまり俺にかまってくれるな」

『あ、そっか。それはごめんなさい』

「……ああ…」

やっぱり、と図星だった私は申し訳なさで少々恥ずかしくなってしまった。やはり自分は空気を読むのが苦手らしく、こういうこともあまり気づけない。

なのでこういう時に轟君のようにはっきり言ってくれると助かる。私は、邪魔してごめん、と一言いいその場を後にしようとする。

しかしなぜか私の態度に彼は妙に驚いた顔をしていたので、
怒らせたか…ともう一回謝るべきかと足を止めていると、

「悪いな」

と一言言いそのままどこかへと立ち去っていった。

結局よく分からなかったが、とりあえず轟は無駄なお喋りには興味がないらしい。

これから本格的にヒーローを目指すにあたって人との関わりは今までのようには避けて通れない。高校からはコミュニケーションも自分への課題だ。

しかし、自分だけがその気でも轟のように嫌がる人もいるのだろう、そういうことも見極められるようにならなくては…。

などと一人己への新たな課題と向き合っていると、希里!と向こうの方から名前が呼ばれた気がした。


『あれ、私の番?』

「う、うん!50メートル走、次は希里さんの番だと思う!」

『ああ、ありがとう緑谷くん』

みんなが集まっている方へと行くと、ちょうどそこにいた緑谷に教えてもらう。

「早くしろ、希里」

『はい、すみません』

相澤先生に再び催促されてしまい急いでスタート地点へと立つ。横にはすでに鳥の頭をした少年が影のような小さな怪物を浮遊させて待機していた。

この個性把握テストは最下位になったものは除籍処分、そんな中副作用が大きい私の個性だが、そう出し惜しみもしていられない。

多少の無理を承知の上、フルで使っていこう…。
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