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私が死のうと思ったのは【ヒロアカ夢】

第20章 ブラッドレッド



怪訝そうな顔の爆豪が切島を睨めば、少し間を置いた後ため息をつく。どういう意味なのだろうと私は訳が分からず切島を見て見るが、彼も同じく不思議そうにしている。

「チッ!!!クソ鈍感野郎どもが一回死んでこい!!店は俺が決めるぞったく!」

『結局くるんだ』

しびれを切らした爆豪が勢いよく歩き出せば、続いて私と切島も彼の後につづく。よくわからないまま結局三人で食べる事になれば、爆豪選んだ中華屋さんでお昼ご飯を済ませた。

それからまたぶらぶらと商店街を回れば、爆豪もグチグチと文句を言いながら付いてくる。爆豪も切島も相変わらずわちゃわちゃと騒いでいて正直行く先々での人目は気になったが、正直こんな日も案外悪くないと思ってしまう。

友達と休日に遊びに行くとは、きっとこう言う事なのだろう。

なんだかんだで緑谷、飯田や麗日とも学校外で遊びに行った事はないので、私にとってはこれが初めて。それは自分の想像以上に楽しかったし、新しい事だらけで。

少し性格に難のある爆豪と、自分とは真逆でまっすぐな切島。

そんな二人と過ごす時間の中、私は久しぶりに普通の人みたく笑えた気がした。

そして楽しい時間はあっという間に過ぎて行き、いつの間にかあたりは夕焼け空に包まれる。そろそろ帰る頃合いだろうと三人で駅へと向かえば、私は改めて二人にお礼を言った。

『二人とも、今日楽しかった。ありがとうね』

「ハンッ」

「おう、また遊びに行こうぜ!今度はおめえも誘うぜ爆豪!」

「ハア?俺を巻き込むなクソカスが」

「とかいってお前も楽しんでじゃねえか!」

「テメエの目は節穴か切島さんよォああ?」

『今度遊ぶときは二人とももうちょっと静かにね』

「指図すんなクソカス!じゃあな!」

そう叫べばドスドスと治安の悪い歩き方で先に帰ってしまう爆豪に、取り残される私たち。私もそろそろ帰ろうと別れを言おうとすれば、切島は暗くなってきたという理由で私を家まで送ってくれると言い出した。

何度も大丈夫と断ったがそれでも一向に引いてくれない切島に観念すれば、お言葉に甘えて送って行ってもらう。

しかし帰り道、あれだけ先ほど騒いで楽しそうだった彼は今度は妙に静かで。どうしたのか気になったがきっと騒ぎ過ぎて疲れたのだろうと勝手に推測し、私も無駄口を叩かないで静かにしていた。
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