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あなただけを…

第57章 ➖静かなお茶会➖


「……では、どうぞ?」

身体を離し、手を差し出すアズール

『ふふっ…ありがとう』

手を取り私を先に座らせ
隣に座るアズール
深呼吸し話し始める…

『アズール…あなたが聞きたいのは
 オーバブロット直前に言ってたことだよね?
 会いに来なくなった理由と
 後は、あの感じからするに2人との…
 ジェイドとフロイドとの関係性かな?』

「そうですが。
 僕はそんなことを言っていたのですか…?」

『そうだよ?やっぱり記憶がないんだね。
 まぁ、今はいいか。1つ目の質問ね
 結果から先に言うと…
 あなたに会いに来れなくなったの…。
 私…魔法が使えなくなってね…』

真っ直ぐ前の机の方を見ながら
ポツリポツリと話し出す私
両親の死によって…天涯孤独となり
精神的に魔法が使えなくなってしまったことを


「あなたの事情も知らずに。
 僕は…僕は…勝手な妄想をして傷付いて。
 あの時だって…あなたが僕をあんな風に
 叱り飛ばしたのも肯ける…」

『はは…。あの時は、大人気なくてごめんね。
 カッとなっちゃって…やり過ぎました。
 今は、アズールも思い出しくれたからね。
 それにね?両親が離れ離れにならなくて
 よかったなって…今は思ってるんだよ?
 会えない寂しさを知ったから…だけどね?』

彼を見れないままでいた…
本当は淋しくて仕方がなかったから

彼を不安にさせたくなかった
その為、今できる精一杯の笑顔を作るも
泣き笑いの表情を浮かべてしまっていた
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