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あなただけを…

第58章 ➖子供じゃない➖



(えーっと…ん?
 どうしてこうなってるのかしら?)

いつの間にか押し倒されていて
目の前にはアズール…
真っ直ぐ見つめるその瞳

「あぁぁぁぁー…もう!なんなんだよ!
 止めだ!限界。平静を装ってましたが…
 あなたが悪いんですよ?僕を子供扱いして。
 サラ…あなたにとって僕はそんなにも
 頼りない男ですか?…あなたを支えられるく
 らいには成長したつもりなんですがね」

そう言い切って盛大にため息を吐き
そっぽを向く…

『え?ふふ…ははっ…ははは…』

昔よりも感情豊かでストレートな物言い
今の普段の彼なら
自己肯定感が強く堂々とした態度なのに
今の彼はそんな欠片も無い…

素の彼の姿…
昔の彼が戻ってきた事による
喜びから思わず笑い出してしまった…

自分自身がくよくよと悩んでいた事が
バカらしく思えるくらいに真っ直ぐで
昔のあなたが戻ってきた事が本当に嬉しくて

安堵と思わぬ出来事に悩みが吹き飛ぶ

(ありがとう。これで決心がついたかも…)

「なっ!?あなたは、そうやってまたバ……」

言葉で言うよりも先に態度で示す…
あなたを引き寄せて唇を塞ぐ
静かになったところで
唇を離さずに目を開くと…
目を大きく見開いたまま固まっていた…
視線が合い、そのまま舌を彼へと伸ばすと
察したのか…口を開け目を閉じるあなた…
そのまま深く求め合うようにキスを交わす

暫くして唇を離す…
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