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あなただけを…

第38章 ➖突撃➖


『そりゃ言わないでしょ。
 明確に提示しろなんて言ったってさぁ…
 守秘義務があるからねぇ?』

「あなたたち…
 ”守秘義務”と、言うのをご存知ですか?
 楽をして良い点を取りたい
 落ち込ぼれになりたくない
 テスト前日まで遊び呆けていたい……。
 今回、期末テストで僕を頼ったバカ……
 んっ…んんー……いえ、みなさんの事情は
 さまざまでしたが…”誰が” ”どんな事情で”
 ”どんな契約をした”か、などという
 プライバシーに深く関わることを
 僕がペラペラと他人に喋ったりするわけが
 ないじゃないですか…。
 僕はとても誠実な男ですから…
 ほら、契約書の127ページ目に
 秘密保持契約についての約款があるでしょう
 …僕はそれを守っているだけのこと」

その話が終わると
担保にしていたユニーク魔法について問う声や
返せなどの声が上がっていた…

『あの子と契約した子達…オツムが……
 はぁ…対策ノートの対価分なんだから
 守れなかった以上返るワケないでしょ…』

同じ様な事をアズールも彼等へと説明していた
話しはまだ続いていた…

「……さらに
 卒業まで全ての対策ノートをあげましょう…
 でももし、あなたが50位以内に
 入れなかった時には……」

身振り手振りをつけ
彼らに話しを続けるアズール

(今回はこの間みたいな…他者を傷つける様な
 間違った契約では無いわねぇ…)
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