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何故か気になるあの男子

第3章 私と彼の約束



時は流れ、秋の文化祭に。




「うちのクラスは今年、クレープ屋さんをやります!!」



文化祭実行委員が言った。



「わーーい!!やったー!!楽しみ〜!」



私以外のクラスメイトは嬉しそう…



文化祭の準備は着々と進められ、私も屋台の絵付けや組み立てなど放課後に残って手伝った。



いつも頭の片隅には一ノ瀬くんがいた。





ある放課後、担任の先生に呼び出された。


「おまえ、一ノ瀬と仲良かったか?クラス通信を一ノ瀬の家に届けてくれないか?嫌なら他探すけどな。」


「私が行きます!!」


私は即答した。


そのまま先生に教えられた住所に向かうと、表札に「一ノ瀬」と書いてある一軒家があった。



ここが一ノ瀬くんのお家か。





ピンポーン


「はい。」


聞いたことある声。


「あの…一ノ瀬くんにお手紙を届けにきました…。」



「ブチっ」



えっ、切れた?




ガチャ…




「入って。」




出てきたのは、白いTシャツに黒のスエットを履いた一ノ瀬くんだ。




いつもの制服姿と違うからか、ちょっとドキッとした…



「手紙を届けに来ただけだから…」



彼は私の言葉を聞かずに、家の中へ入ってしまった。



「えっ。あっ、ちょっと……お邪魔します…」



一歩足を踏み入れると、一ノ瀬くんの制服から香った匂いがする。



彼は2階に上がっていった。



「まさか部屋に!?」



男の子の部屋なんて入ったことのない私は動揺が隠せない。




とりあえず彼の後を追い、2回は上がる。




ガチャ…



「失礼します…」


彼は部屋のベッドに腰掛けている。



私は手紙だけを渡してすぐに帰る気でいた。





カバンから手紙を出し、彼に渡そうとしたとき…




「学校どう?」



一ノ瀬くんの久しぶりの声。



「が、学校!?あ、えっとね!もうすぐ文化祭で私たちのクラスはクレープ屋さんをやることになったよ〜…」



………。



彼は黙ったまま。


「ク、クレープなんて男子は好きじゃないよね〜…」



私はこの気まずい空気をなんとかしたかった。



「僕…クレープ好きだよ。特にチョコバナナカスタードが。」



「えっ!?」


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