第7章 目覚めよ、汝
「な、に………」
「真白が好き、って一言言ってくれたら、イかせてあげる」
「━━━━ッッんンっっ」
笑いながら。
蓮の指先は再度、先ほど解放してもらえなかった熱が籠る、突起へと宛がわれて。
「言って?真白」
余韻でぬるぬるのその場所を、指先が這い回る。
くるくると円を描いて。
グリグリと押し潰して。
上下に、弛く擦りあげる。
「………ゃ、どっちも、やだ……」
意識がそちらへと集中すれば。
片手は胸の先端を、爪でカリカリと引っ掻く。
指先で強くつまんで。
かと思えば指の腹で優しく、先端を撫でる。
「や、め……っ、蓮…っ」
いつの間にか蓮に捕まっていた両手は解放されていて。
押さえつけるもののなくなった体はすぐにでも崩れ落ちそうになる。
だから。
フェンスをつかんで、足に力を入れた。
「………っん、やだぁ…っ」
だけど。
爪先から駆け上がる痺れが解放される、前に。
蓮の動きはピタリと止まる。
とたんにガクン、て膝が折れた。
「震えてる?……大丈夫?」
「………っ」
わざとらしく細められた瞳。
緩む口元。
唇を噛みしめて、蓮を睨みあげた。
「………なにそれ、挑発してるつもり?」
「だったら、何」
「真白のその顔、好き。……力入んないんでしょ?一言でいいのに、楽になりたくない?」
「こんな嫌がらせするやつ、好きじゃない……っ」
「……いいよ。絶対言わせるから」
「言わない」
「じゃぁずっとイけないね?」
「━━━━━っひゃう!?………っ、っぁあ」
また、指……っ。
さっきからずっと、なんで的確に同じ場所ばっか狙えるの。
こんなの絶対、不公平だ……っ!!
なんでいつもいつも、主導権は蓮にあんの。
なんでこんなにいつもあたし、振り回されなきゃ、なんないの。
「………集中」
「!?」
ぐり、って。
奥を抉られた、瞬間。
「━━━━━ひぅ……ッッ」
ビリビリと、身体中を電流が駆け巡った。
ガクン、て。
一気に崩れ落ちる身体。
それは同時に。
自らさらに深みへと蓮の指を、飲み込む形となり。
崩れ落ちた瞬間、弾かれたように身体は弓なりに反り返った。