第8章 約束
結果良ければ、オーライ。
うん。
きっとそう。
「………それより俺は真白ん家に行く覚悟を今必死に決めてる」
「あはは、殺されるね蓮」
「記憶なくしてました、って、通用するかな」
「試しに言ってみたら」
「先行って包丁とかハサミとか、隠しといてよ真白」
「え、今から行く気?」
「日曜日だし、いるよね?」
「いる、けど……。卒倒しちゃうかも」
「いきなりはさすがに迷惑だよな。うーん、でももう俺、真白と薫ちゃんとはなれられるきしないんだけど」
「え。だって、実家だよね?」
「俺、今一人暮らし」
「嘘」
「大学生だけどね」
「嘘、9年間も寝てたのに?」
「うん、だからまだ1年。去年は必死にいろんなこと死ぬ気で勉強した」
「頑張ったんだね、蓮」
「真白もね」
蓮の掌が、重なって。
絡む。
「━━━━よし!行くか」
「行きますか」
「苦労かけるかもしれないけど、絶対幸せにするから」
「うん」
「一緒にずっと、生きて行こう!」
『生きて』。
うん。
大丈夫。
乗り越えてみせるよ。
「━━━━約束、ね」
「うん、今度は絶対、忘れない」
幸せな未来はあの瞬間から。
決まってた。
『俺の子を、孕め』
うん。
宿すよ。
絶対。
幸せへのカウントダウンはもう、始まってたんだ。
【完】