第7章 目覚めよ、汝

「………」

「真白と、僕の子供」



「…………それで、あんたは助かるの？」


「……だと、思う」


「そう」


「…………」




だから。
やたらとあんなにしつこかったわけだ。



「………いいよ」
「え」
「妊娠、すればいんでしょ？どーせ毎日しなきゃ消えちゃうんだし、毎日毎日してれば妊娠するんじゃないの」
「真白……？」
「なに？そのつもりだったんでしょ。別にそれでいいっつってんの」

「真白……」


おっきな瞳がみるみると見開かれていって。
そして辛そうにその面積を、狭めた。


「だめだよ」
「なんで？」
「そしたら真白、消えちゃう……」
「いーよ、別に。未練ないし」
「だめだよ、真白」
「だから、なんで」


いいっつってんのに、めんどくさいなこいつ。



「だって僕……、俺、真白好きだもん」






「━━━━━━━は！？」









今、なんて？





なんて言った？






だって。
人の気持ち勘違いだのなんだのって、受け取ってもくれなかったじゃないか。
認めさせても、くれなかったじゃないか。



なに、言ってんの？





「真白には生きて欲しい」





バカなの？
バカでしょ絶対。





「…………あのさぁ、歳上のゆーことは聞きなさいよ」
「歳でいったら俺のが全然歳上だけど」
「中身は中学生のままじゃん」


「…………そーでも、ないよ？」




ゾク…

とする。
この目。



「真白は知ってるよね？俺が子供なんかじゃないの」
「…………っ」



ふにふに、と。
唇の弾力を楽しむように、蓮の指先が、触れる。





「試してみる？」