• テキストサイズ

地縛霊は孕ませたい!?

第7章 目覚めよ、汝




「………ぇ、っと、病院?」
「以外に何に見えるの」
「や、そこを疑問に思ったわけじゃなくて……」

「こっち」



意外と、マイペースなんだなぁ。
この人。









「━━━━━━え」


言われるままたどり着いた先は、病室で。
なんだか一気に風が通り抜けたような、錯覚。
そして香るのは。

甘い、匂い。




「…………『巫 蓮』。あれがわたしの兄よ」


「え」



ガラガラ、とドアを開けて中へと入れば。
正面に横たわる、人の影。


カーテンの隙間から入る風が香りをこっちまで運んできた。



ドクン

ドクン


心臓が、鳴る。
体が震える。
踏み出す足の、地面の感覚がない。
耳が聞こえない。



それでも。
引力に引かれるように足を前へ前へと、動かした。




「うそ………っ」






ベッドへとたどり着いた先に眠っていたのは。
間違いなく、蓮、で。
成長した姿より少し大人びた、蓮の姿。




「れ、ん?」


なんで。
なんで。
なんで?


「なんで……、だって」



あれ。
頭、ぐちゃぐちゃ。
意味がわかんない。
ここにいるのって、誰だっけ。



「れん……?」
「そうよ。9年間眠り続けて、1度も目を覚まさない」
「ぇ」
「わたしの、お兄ちゃん」



…………お、にいちゃん?


待って。
蓮、が?
巫さんの、お兄ちゃん?
大事な人、って?
ああいや、うん、家族は大事だけど。



「どうしてあなたのそばに、お兄ちゃんがいるの?」








/ 115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp