第6章 カレとカノジョと、僕の事情
「…………っ、ぅ」
「……」
カーテンを締め切ってるとはいえ、まだ外は全然明るいし。
当たり前だけどお母さんだっている。
こんな時に限ってれいはしつこく、ねっとりと執拗にさっきから身体中舌を這わせてくる。
義務的な行為でしかないのに。
感情なんて1ミクロもないのに。
さっさと終わらせて、解放されたい、のに。
「………どーでもいいわりに、さっきから触る度に身体ビクついてるけど」
「あんたが!!変なさわりかたするからでしょ!?いいからさっさと終わらせて」
ただの義務的な行為。
感じるわけない。
ない、のに。
「…っ、い……っ」
敏感になった身体。
存在を主張するようにぷっくりと熟れた2つの果実に、噛み付くように唇と、歯があたる。
焦らされるような舌の這わせ方に、刺激を求め熟したその場所には刺激が強すぎて。
思わずあげそうになった声を飲み込んだ。
「胸、弱いもんね。ごめん、痛かった?」
「………」
唇で食むように転がしながら、上目遣いで挑戦的にれいの瞳が揺れる。
「我慢してるの、真白バレバレ」
クスクスとわざとらしく笑いながら、ペロリとその先端、ほんとに掠めるように舌が触れて。
思わず腰が浮く。
「触ってほしい?」
「……早く、終わってほしい」
「じゃ、終わらせない」
「………っ」
さっからずっと、膨らみに指先を沈めて先端のまわりを舐めたり、時々甘噛みしたり。
ずっと。
同じ刺激。
吸い付き噛み付き、舐める。
手の甲で口を押さえたところで、完全に閉じきれない唇の隙間から漏れる吐息。
こんなのれいを付け上がらせるだけだって。
ますます調子にのらせるだけだって。
わかってる。
だけど。
………味を、覚えてしまった。
この先にある、あの感覚。
それがどんなに気持ちいいか、身体はちゃんとわかってる。
わかってるから。
頭とは関係なくれいを求めて身体は蜜を溢すんだ。
あたしの、意志じゃない。