第5章 頑張って我慢して?
━━━━落ちる!!
ああこれで。
透にもバレた。
終わったかな。
なんて、考えながら唇を離すと。
「…………」
あれ。
掌、透けてない。
足の感覚も、ちゃんとある。
「真白?」
「あ……」
ヒラヒラと掌を振ったり足を動かすあたしを、明らかに不審げに見下ろして。
「大丈夫?」
次は心底心配そうに。
のぞきこまれた。
「………うん!!大丈夫!ありがとう!やる気出た」
「そう?ならよかった」
「うんっ」
「頑張れ」なんて手を振る薫に笑顔で頷いて。
再度机に戻る。
待って。
なんで?
なんで戻ったの?
薫とのキスで、あたし戻れるの?
薫と繋がってもあたし、生き返れたり、するの?
パニック。
すごいパニック。
あんな少年の霊なんかじゃなくても。
もしかして。
「……だから、無理だって言ってんじゃん」
「わぁ!!」
どっから出た。
浮遊霊っ
「次元の違うもの同士じゃないと、エネルギーは放出されないんだってば」
「だ、だって今、薫としたよ?キス。透けてた体、戻ったよ?」
「うん、見てた」
「見てた、なら、話わかるよね?あたし、薫と繋がっても、薫の子供妊娠しても生き返れたりしない?」
「しない」
「なんで?」
「しないから」
「はぁ?それじゃ答えになってない」
「答えるつもり、ないもん。真白が自分で考えなよ」