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地縛霊は孕ませたい!?

第4章 ………聞いても、いい?






「………カッコいいねぇ、婚約者さん」

「!!」


出た。
中学生、ってことは、誰にも見えてないんだ。
………まぁ、浮いてるしね。


「プライバシー」
「俺の依り代真白だもん。真白の行くとこ、見たもの、ぜーんぶ共有すんだよ」

「えぇっ?」

嘘でしょ。
聞いてない、聞いてないそんなの。

「言うならば、俺、真白から離れらんないんだよねー」
「嘘っ」


だってバイバイ、って。
保健室だって、ドアの向こうに……。


「ざーんねん、でした」


べー、とかとか。
子供かよっ。
てか、そうだ、子供なんだ。



「薫の前ではあーんなに、かわいいのにねぇ」


ぷかぷかと浮遊しながら、お腹を抱えて笑う少年。
イライラ、する。


「薫なんて、呼ばないで」
「………はいはい」


降参、とでもいいたげに。
彼は両手を上げてため息ついた。


「あんたねぇ………!!」


怒鳴りつけてやろうとした、ところで。
急に真剣な顔でドアを、見て。
またにっこりとあたしへと向き直り、「しー」、と。
人差し指を口元へと持っていきながら、徐々に彼の姿は消えてった。


「?」


なんなのよ、あれ。



「真白?」
「!?」


……っくり、した。


「かお、る」
「今誰かと話してた?」
「ぇ、えー?そうだった??」
「話し声、聞こえた気がしたけど」

「………」



だからあいつ……。


「なんでもない」
「そ?」
「うん」


湯上がりの、薫。
あんま見ない貴重な姿じゃん、これ。
Tシャツに、スエット。
頭には白いタオル。
こんな無防備な薫、あんま見ないよ。


「………見すぎ」
「薫なんだか、キレイなんだもん」
「あんま嬉しくねーな、好きなコに言われても」
「好きな、コ?」
「そ」
「………ん」


くい、って。
顎を掴まれた、瞬間。
ふわっと降ってきた口付け。


「もっとしたいけど、今日は真白も俺もお預けな」
「………っ」


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