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地縛霊は孕ませたい!?

第4章 ………聞いても、いい?


「ごめん、ね?」
「なに?」
「………心配かけて、ごめんね」



いろんなこと。
たくさんたくさん、ごめんなさい。



「なんかさ、真白事故ってから変じゃない?」
「そう?」
「うん」


ベランダの柵に腕乗せて、薫がじぃって、のぞきこむ。


「?」
「うん、なんか、ぎゅううっ、て、してやりたくなる」
「………」


あたしも。
薫に触れたい。
ぎゅうう、って、してほしいよ。
欲しい、けど。


「薫と離れらんなくなっちゃうもん。」
「いいよ」
「朝早いんでしょ」
「……たまには一緒に寝る?」
「ぇっ」
「なんもしないって。寝るだけ」


苦笑する薫に、噴火した火山みたいに全身から火、出た。
やばい。
恥ずかしすぎて顔あげらんない。


「今日母さん夜勤だから………、内緒で来れる?」
「行く!!」


思わず顔上げて即答すれば。
嬉しそうに微笑む薫の顔。


「うん、お待ちしてます」
「すぐ行く!!待ってて!!」


パジャマの上に薄着の上着を羽織り、そーっと階段を降りて、玄関を開ける。
その後はもう、ほんと猛ダッシュ、して。
薫の家の玄関を開けようと、すると。


「いらっしゃい」


あたしが開けるよりも先に、玄関が開いた。


「薫」
「おいで真白」

笑顔で両手を広げる薫に向かって、突進。


「………っぅわ…っ」


少しだけよろけながらも。
ちゃんと抱き止めてくれる、薫の腕。


「薫だぁ」
「うん」
「薫の、匂い」
「ごめん、まだ風呂入ってないし、タバコ臭いだろ」
「んーん、ちゃんと薫の匂い」
「真白は石鹸のいい匂いする」

ちゅ、って。
頭の上、髪の毛に降り注いだキス。


「早く一緒に暮らしたいなぁ」
「もーすぐだよ」
「うん」
「先上行ってて、シャワー浴びてくる」
「うん!!」

あーあ、この腕から離れるの、やだなぁ。

「真白?」
「あと10秒だけ」
「……しょーがねぇなぁ」
「へへ……」


大好き。
頭を撫でてくれる、おっきな掌。
少しタバコの匂いのする、真っ白いワイシャツ。
少しキィの高い、うっとりするような低い声。
全部が全部。
大好き。



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