第3章 気持ちいいって言ったら許してあげる
直接それが胸に押し当てられたと同時に。
カチ、て。
嫌な音を認識する間も、なく。
「は……っ、っああっ、っあぁああっ」
それはダイレクトに、まさに先端部、を。
ものすごい回転速度で強すぎる刺激を与え続けた。
「や、やだ…っ、止め…っ、とめてぇっっ!!」
ガシャン、ガシャンて。
体が跳ね上がる度に軋む嫌な音。
「ぁ、ぁ、っああっ」
やだやだ。
こんなのやだ。
痺れる。
頭も体も、全部痺れちゃう。
「……ごめんごめん。いきなりすぎたかな。すっごいびくびくしてる」
「……」
漸く解放された体は脱力し、閉じきれない口の隙間から空気が漏れる。
肩で呼吸しながら、にこにこと憎たらしく笑う幽霊を、睨み上げた。
「やだなぁ。加減わかんないんだってば。睨まないでよ、可愛すぎ真白ちゃん」
ムカつく。
ムカつく。
ムカつくっっ!!
「……今度はちゃんと、優しくするね?」
「ぇ、っあ!?」
先ほど痺れるほどの刺激を受けたその先端に、ふー、って、わざとらしく息を吹き掛けると。
「……っん」
今度はその場所へと、ピチャピチャと舌を這わせたんだ。
「━━━━━っっ!?」
それだけなのに。
薫といつもこんなこと、してるのに。
たったそれだけのことであたしの体は、弓なりに喉を晒した。
「や……っ!?なに…」
「舐める度腰浮かせちゃって、やーらし」
片方の掌までが空いてる方の胸を弄り出して。
指の腹で転がしたり。
摘まんだり。
引っ張ったり。
もうほんと、すでに十分な呼吸が出来てない。
喘ぎっぱなしで口が閉じらんなくて。
口の中、乾燥してきちゃう。
「やぁ、やめ、も……っ、ねが…」
「………」
「っぁん、っああっ、やぁ、やら…っ、も、ぃ、ぁああっ」
「真白」
「………?」
は、は、は……っ
短く肩で呼吸しながら、突然頭に置かれた掌に、瞳を開ける。
「飲んで、真白」