• テキストサイズ

地縛霊は孕ませたい!?

第8章 約束




━━━━━あれから、2年。




『薫』、は。
ようやくよちよち歩きが出来るようになった。
産まれた子供は女の子で。
『薫』と、名付けた。





「薫、いい天気だねー、少しお散歩しよっか」




あれから。
少しだけ思い出したことがある。
あたし。
夢を見てた。
夢。
でもたぶん、現実。
不思議な、夢。
夢の中で薫じゃない誰かを好きになった。
好きになった、けど。
ぼんやりとしか思い出せなくて。
誰なのか、とか。
どこにいるのか、とか。
全然思い出せないんだ。





「ご機嫌だね今日は。気持ちいい?」




肌にあたる風が、あったかい。
そろそろ春がくる。
桜が、咲き始める頃だ。




「薫、砂の上は危ないよ」



てとてとと、頼りなげに歩く我が子を追いかけて。
ピタリと。
薫の動きが、止まった。



「?」



「かわいいね、薫ちゃん、てゆーの?」



「━━━━━━え」





薫が動きを止めた原因の、彼は。
膝を折り視線を最大限薫に合わせると。
そのまま視線は後ろにいたあたし、へと向けられた。






「迎えに来たよ、真白」



「あ………」






「真白」






薫を、抱き上げて。
『彼』、は。
あたしをまっすぐに見つめ………た。











「━━━━━━━れんっ」










/ 115ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp